虫歯は自然治癒する?気になる質問に歯科医師が回答

「虫歯になっても口腔ケアを完璧にしていれば治るのでは?」
日々の忙しさから、そう考えてつい様子を見てしまっている方もいらっしゃるでしょう。
実は、ごく初期段階の虫歯であれば自然治癒する場合もあります。ただし、歯の表面に穴が空いてしまうと元の状態に戻すことは難しく、歯科医院での治療が必要です。
本コラムでは虫歯が自然治癒する可能性や、虫歯の進行を食い止めるための具体的なセルフケア方法を解説します。
初期サインを見逃さず、正しい対処法を知ることは、将来の治療負担を軽くすることにもつながります。ご自身の歯を長く健康に保つために、ぜひご参考にしてください。
虫歯が自然治癒する可能性
穴が空いておらず、痛みがない初期虫歯であれば、自然治癒する可能性があります。
歯の表面のカルシウムなどが溶け出ることを脱灰と呼びます。プラーク中の虫歯原因菌が糖類を分解し、作られた酸によって起こります。一方、再石灰化は歯から溶け出たミネラルを再沈着させる修復現象です。
脱灰と再石灰化のバランスが崩れて脱灰優位となると、虫歯が発生します。ごく初期であれば歯の再石灰化が進み、歯が元に戻ります。
歯が溶けて穴が空いてしまうと元の状態には戻らないため、歯科医院での治療が必要です。
虫歯の進行を抑えるには
虫歯と診断された場合や、歯がしみたり痛みがあったりと違和感を覚える場合は、まず歯科医院で治療を受けることが大切です。虫歯になってしまった部分を削り、詰め物や被せ物をして虫歯の進行を抑えます。
また、歯みがき習慣や食習慣の見直し、歯の定期検診に通うことも大切です。
歯ブラシのほかデンタルフロスや歯間ブラシを使用して、普段から丁寧な口腔ケアを行いましょう。
間食の回数や甘いお菓子・飲み物の摂取が多いと、虫歯が進行しやすくなります。ダラダラ食べをしないよう、間食をコントロールしましょう。
虫歯は初期に発見・治療することが大切ですが、初期は痛みがなく、見た目もほかの歯とあまり変わらないため、自分では気がつきにくい段階です。よって定期検診で口腔状態を確認してもらうことが重要です。
Q1:定期検診ではどのようなことをしますか?
A1:虫歯や歯周病などが進行していないか口腔状態を確認し、歯のクリーニングやブラッシング指導を行います。保険診療であれば3,000円程度で受けられます。
Q2:虫歯になりやすいのはどのような人ですか?
A2:遺伝的に歯質が弱い方や歯並びが悪い方、歯みがきが不十分な方、甘い物や間食を多く摂る方が虫歯になりやすいといわれています。