風邪をひいたときは歯医者に行っていい?キャンセルするべき?
歯医者の予約日に限って風邪をひいてしまい、受診すべきか悩んだ経験はありませんか?
軽い風邪なら大丈夫だろうと思っても、実は歯科医師には体調不良が伝わっている可能性があります。
結論は下記のとおりです。
- 風邪をひいている時に治療を受けるのは様々なリスクが高い
- 風邪をひいていることは歯医者にバレる可能性が高い
- 歯科医院に電話し、正直に体調を伝えることが大切
また、下記の症状がある場合は、治療を見合わせた方が良いでしょう。
- 37.5度以上の熱がある
- 咳やくしゃみが頻繁に出る
- 強い喉の痛みや鼻水、鼻詰まりがある
- 全身の倦怠感が強く、体調がすぐれない
いずれにせよ、自己判断で治療を受けるのは危険です。必ず電話で歯科医院に症状を伝えたうえで、治療が可能か相談することが重要です。
この記事では、風邪のときに歯科治療を受けるリスクや、予約日と重なってしまった際の適切な対処法について解説します。
歯医者には風邪をひいていることがバレる?口の中の状態でわかる5つのサイン

多少の風邪気味程度なら隠して治療を受けたいと思うかもしれませんが、歯科医師は口の中のプロフェッショナルです。
口内環境のわずかな変化や患者の様子から、体調不良を見抜くことは少なくありません。
具体的にどのようなサインで風邪をひいていることが伝わるのか、5つのポイントを解説します。
無理に隠して受診するのではなく、正直に体調を伝えることが大切です。
サイン1:喉が赤く腫れている
歯科医師は歯や歯茎だけでなく、口の中全体を丁寧に診察します。
治療内容によっては口の奥まで確認するため、喉の状態も自然と目に入ります。
風邪をひくと、ウイルスや細菌の感染によって喉の粘膜が炎症を起こし、赤く腫れることが多くあります。
特に扁桃腺が腫れている場合は、体調不良の明確なサインとなります。
歯科医師はこうした喉の変化から、患者が風邪をひいている可能性を察知します。
サイン2:口の中が乾燥してネバついている
風邪による発熱や鼻詰まりは、口呼吸の原因となります。
口で呼吸をすると、唾液が通常よりも早く蒸発してしまい、口の中が乾燥しやすくなります。
唾液には口内の細菌を洗い流す自浄作用や、細菌の増殖を抑える抗菌作用がありますが、乾燥によってその働きが低下します。
その結果、口の中がネバネバした感触になり、細菌が繁殖しやすい環境が生まれます。
歯科医師は、普段とは違う口内の乾燥具合や唾液の粘つきから、患者の体調が万全ではないと判断することができます。
サイン3:特有の口臭がする
風邪をひくと、普段とは違う種類の口臭が発生することがあります。
これは、口内の乾燥によって細菌が繁殖しやすくなることや、鼻詰まりによって鼻からの膿が喉に流れること(後鼻漏)、喉の炎症などが原因です。
毎日多くの患者の口の中を診ている歯科医師や歯科衛生士は、こうした匂いの微妙な変化にも敏感です。
そのため、風邪に起因する特有の口臭から体調不良を察知される可能性があります。
サイン4:免疫力の低下で歯茎が腫れている
風邪で体力が落ちると、全身の免疫力も一時的に低下します。
すると、普段は体の抵抗力によって活動が抑えられていた歯周病菌などが活発になり、歯茎に炎症を引き起こすことがあります。
その結果、歯茎が赤く腫れたり、少しの刺激で出血しやすくなったりします。
歯科医師は歯茎のわずかな色の変化や腫れ具合から、患者の免疫力が低下していることを見抜きます。
サイン5:鼻声や咳など体調不良の様子が見える
歯科医師は口の中だけでなく、患者全体の様子も注意深く観察しています。
問診時の会話で声がいつもと違って鼻声であったり、受け答えが少し億劫そうであったりすれば、体調が優れないことはすぐに伝わります。
また、待合室で咳をしていたり、顔色が悪かったりする様子も、スタッフの目に入ります。
本人は体調不良を隠しているつもりでも、医療従事者には容易に察知されてしまうものです。
風邪のときに歯の治療を受ける4つの危険性

風邪のときに歯の治療を受けることには、さまざまな危険が伴います。
無理をして治療を受けることで生じる4つの主なリスクを、「自分への影響」と「周りへの影響」に分けて具体的に解説します。
【自分への影響】治療中に咳き込んで口の中を傷つけるリスク
歯科治療では、歯を削るドリルや鋭利な器具を口の中で精密に操作します。
風邪をひいていると、喉の刺激などから不意に咳が出てしまうことがあります。
治療中に突然咳き込んで体が動いてしまうと、器具が唇や舌、頬の粘膜などを傷つけてしまう危険性が高まります。
特に、高速で回転する器具を使用している際にこのような事態が起きると、大きな怪我につながる恐れもあります。
【自分への影響】免疫力低下で治療後の痛みや腫れが強くなる可能性
抜歯やインプラント、歯の神経の治療といった外科的な処置は、体に一定の負担をかけます。これらの治療後の回復には、体の免疫力が大きく関わっています。
風邪で免疫力が低下している時に治療を受けると、細菌に対する抵抗力が弱まっているため、治療した部分が感染しやすくなります。
その結果、通常よりも治療後の痛みや腫れが強く出たり、傷の治りが遅れたりすることがあります。
【自分への影響】鼻詰まりで呼吸が苦しくなり治療に集中できない
歯科治療中は、長時間にわたって口を開けたままの状態が続くため、鼻で呼吸することが基本となります。
しかし、風邪で鼻が詰まっていると鼻呼吸が困難になり、口で呼吸せざるを得ません。
治療で口の中に水や唾液が溜まると、息苦しさを感じてパニックになったり、むせてしまったりすることがあります。
このような状態では、患者自身が大きな苦痛を感じるだけでなく、治療を安全かつ正確に進めることが難しくなります。
【周りへの影響】歯科医師や他の患者さんへ感染を広げてしまう
風邪の原因となるウイルスや細菌は、咳やくしゃみによる飛沫を介して他人に感染します。
歯科治療は、患者と歯科医師、歯科衛生士の顔が非常に近い距離で行われるため、感染リスクが極めて高い環境です。
治療中に咳やくしゃみをすると、ウイルスを含んだ飛沫がスタッフに直接かかったり、診療室内に拡散したりします。
また、待合室で他の患者にうつしてしまう可能性もあります。
歯医者の予約をキャンセルまたは延期すべき風邪の症状とは?

風邪をひいたからといって、必ずしも予約を変更しなければならないわけではありません。
しかし、特定の症状がある場合は、無理せず治療を延期するのが賢明です。
ここでは、自分自身と周囲の安全のために、受診を控えるべき症状の具体的な目安を解説します。
37.5度以上の熱がある場合
発熱は、体がウイルスや細菌と戦っている証拠であり、免疫系が活発に働いているサインです。
一般的に、37.5度以上の熱がある場合は、体に大きな負担がかかっている状態と考えられます。
このような状態で歯科治療を受けると、さらに体力を消耗してしまい、風邪の症状が悪化する可能性があります。
まずは安静にして体力の回復を最優先し、解熱してから治療に臨むのが望ましい対応です。
咳やくしゃみが頻繁に出る場合
頻繁に出る咳やくしゃみは、歯科治療を受ける上で大きな障害となります。
治療中に突然咳き込むと、器具で口の中を傷つける危険があることはもちろん、飛沫によってウイルスを周囲に拡散させてしまいます。症状が落ち着くまで治療は延期しましょう。
強い喉の痛みや鼻水・鼻詰まりがある場合
強い喉の痛みがあると、治療のために長時間口を開けていること自体が大きな苦痛になります。
また、鼻水や鼻詰まりがひどい場合も問題です。歯科治療では鼻呼吸が基本となるため、鼻が詰まっていると息苦しくなり、治療に集中できません。
特に、水を使いながら歯を削る治療では、口で呼吸していると水を飲み込んでむせてしまう危険性が高まります。
安全で快適な治療を受けるためにも、これらの症状が強い場合は、回復するまで予約を延期することを検討しましょう。
全身の倦怠感が強く、体調がすぐれない場合
特定の強い症状はなくても、体全体がだるい、ぼーっとするといった倦怠感が強い時も、受診を控えるべきサインです。
歯科治療は、ただ椅子に座っているだけのように見えますが、長時間同じ姿勢を保ち、口を開け続ける必要があるため、心身ともにエネルギーを消耗します。
無理をせず、まずは体を休めることに専念し、体調が整ってから治療を受けましょう。
風邪で歯医者に行けないときの正しい対処法

予約当日に風邪をひいてしまい、受診すべきか迷った場合、どうすれば良いでしょうか。
自己判断で無断キャンセルをしたり、無理に受診したりするのは避けるべきです。
このような状況では、まず歯科医院に連絡し、正直に状況を伝えることが最も重要です。
ここでは、風邪で歯医者に行けない場合の適切な対処法について解説します。
自己判断せず、まずは電話で正直に症状を伝えて相談する
「これくらいの症状なら大丈夫だろう」と自分で判断したり、「直前のキャンセルは申し訳ない」と考えたりして無理に受診するのは避けましょう。
まずは予約している歯科医院に電話を入れ、風邪をひいてしまったことを正直に伝えるのが最善の対応です。
その際、現在の体温、咳や喉の痛み、鼻詰まりの有無など、具体的な症状を詳しく説明します。
歯科医院側は、その日の治療内容と患者の症状を総合的に判断し、受診の可否や予約変更について適切なアドバイスをしてくれます。
我慢できないほどの強い痛みがある場合は応急処置を相談する
風邪の症状に加えて、歯に我慢できないほどの激しい痛みがある場合は、その旨も必ず電話で伝えましょう。
歯科医院によっては、他の患者との接触を避ける時間帯に予約を調整したり、感染対策を通常以上に徹底したりした上で、痛みを取り除くための応急処置だけでも行ってくれる可能性があります。
そもそも風邪をひくと歯が痛くなるのはなぜ?考えられる2つの原因
風邪をひいたら歯まで痛くなってきたという経験をしたことはありませんか。
実は、風邪と歯の痛みには密接な関係がある場合があります。
ここでは、風邪のときに歯が痛くなる主な原因として考えられる2つのケースについて解説します。
原因1:風邪による免疫力低下で歯茎が炎症を起こしている
風邪で体力が消耗すると、全身の免疫力が低下します。
その結果、歯茎に急性の炎症が起こり、腫れや痛み、出血といった症状が現れることがあります。これは、もともと軽度の歯周病があった場合に起こりやすい現象です。
風邪が治って体力が回復すれば痛みも治まることが多いですが、根本的な原因である歯周病を治療する必要があるというサインでもあります。
原因2:副鼻腔炎(蓄膿症)が上の奥歯を圧迫している
風邪のウイルスや細菌が鼻の奥にある「副鼻腔」という空洞にまで広がると、炎症を起こして膿が溜まる「副鼻腔炎(蓄膿症)」を発症することがあります。
副鼻腔の中でも、頬の奥にある「上顎洞」は、上の奥歯の根の先端と非常に近い位置にあります。
そのため、上顎洞で起きた炎症が歯の神経を圧迫し、上の奥歯に強い痛みを感じることがあるのです。
この場合、歯自体に原因があるわけではないため、歯科治療ではなく耳鼻咽喉科での副鼻腔炎の治療が必要となります。
歯医者の予約と風邪に関するよくある質問
歯医者の予約と風邪が重なってしまった際、多くの人が疑問に思う点があります。
ここでは、予約の変更やキャンセルに関するよくある質問について、簡潔にお答えします。
Q. 風邪で歯医者を当日キャンセルしたら料金はかかりますか?
風邪などのやむを得ない体調不良が理由の場合、当日のキャンセルで料金が発生することはほとんどありません。
大切なのは、受診できないとわかった時点ですぐに電話で連絡し、正直に理由を伝えることです。
Q. 予約を変更した場合、次はいつ頃予約が取れますか?
予約の取りやすさは、歯科医院の混雑状況や希望する曜日・時間帯によって大きく異なります。
風邪が治り次第、できるだけ早く歯科医院に連絡して予約を取り直しましょう。
痛みが強いなど緊急性がある場合は、その旨を伝えて相談することで、キャンセル枠などを調整してもらえる可能性があります。
Q. 風邪は治ったけれど、まだ少し咳が残っています。受診しても大丈夫ですか?
熱やだるさなどの症状がなく、咳が少し残っている程度であれば、受診可能な場合があります。
しかし、治療中に咳き込んでしまうと危険を伴うため、事前に歯科医院へ電話で相談するのが最も確実です。
咳が時々出る程度であることを伝え、受診しても問題ないか歯科医師の判断を仰ぎましょう。
まとめ
風邪をひいた状態で歯医者を受診すると、口内の状態や全身の様子から歯科医師に体調不良が伝わる可能性が高いです。
また、免疫力が低下している時に治療を受けると、治療後の痛みや腫れが強くなる、咳き込んで口の中を傷つけるといったリスクが伴います。
周囲への感染拡大の恐れもあるため、37.5度以上の熱や頻繁な咳などの症状がある場合は、自己判断せず歯科医院に電話で相談することが重要です。
正直に症状を伝え、受診の可否について指示を仰ぎましょう。