歯ぎしり・
ボツリヌス治療
Botulinum
ボツリヌス治療とは
Botulinum
ボツリヌス治療とは、ボツリヌス菌から抽出されるタンパク質の一種を患部の筋肉に注射し、緊張を緩和するというものです。顎関節症や歯ぎしり、食いしばりなど、筋肉(エラ)の緊張によって起こる諸症状の治療に使用します。食いしばりを原因とした歯周病や肩こり、頭痛などが改善する可能性もあります。また、上唇を動かす筋肉が緊張して起こるガミースマイルや、口角が下がるといった審美的なお悩みも、ボツリヌス治療によって改善し口元が美しくなります。
ボツリヌス菌そのものは注入しないので、ボツリヌスが菌に感染することはありません。
このようなお悩み、ありませんか?
- 顎が痛い、口が大きく開かない、関節から音がする、といった顎関節症
- 就寝中に歯ぎしりをしている
- 歯ぎしりで歯がすり減る
- 上下の歯を強く噛んでしまう(食いしばり)
- 食いしばりにより肩こりや頭痛が起きている
- ガミースマイルである
- 口角が下がっている
ボツリヌス治療の安全性・適応範囲や注意点等
安全性
日本では1996年に眼瞼痙攣、2000年に片側顔面痙攣、2001年に痙性斜頸への向上が厚生労働省の承認を受けている治療です。美容業界では、しわ取りの治療、小顔治療として一般的に使用されている治療法です。美容目的では70ヵ国以上で使用されています。
適応範囲について
咬筋・オトガイ筋・ガミースマイル・口角拳上
治療時間について
15分程度で終了します(表面麻酔をする場合は40分程度)。
ダウンタイムについて
とくにありませんので、すぐに日常生活に戻ることができます。
効果の持続について
3~6ヵ月程度の効果があります。
副作用について
治療後数日は重たい感覚が残る場合があります。
保険適用外です。
歯ぎしりを
ボツリヌス治療で改善
Treatment
歯ぎしりの原因別 治療法
過蓋咬合による歯ぎしり・食いしばり
上顎の歯が下顎の歯に覆いかぶさるように噛んでしまう過蓋咬合は、奥歯で強く噛むという性質があります。過蓋咬合になると下の前歯が上の前歯の歯肉に当たって炎症を起こしやすいほか、歯ぎしりや食いしばりをしている方もよく見られます。強く噛んでしまうのを抑えるため、咬合調整や歯列矯正と併用するかたちでボツリヌス治療をします。
奥歯で噛む癖がある
食事をするときの歯列の働きを細かく見ていくと、奥歯は本来すりつぶす役割を担っています。しかし、現代は柔らかい食事が多いため、前歯を使わずに奥歯で噛んで食べる方が多く見られます。奥歯で噛む癖がつくと筋肉が緊張しやすくなり、それを記憶することで睡眠時にも奥歯に力が入ってしまいます。ボツリヌス治療で筋肉の緊張を弱め、マウスピースなどを使いながら症状を改善します。
ストレスによる歯ぎしり・食いしばり
「ストレス社会」とはよく言われる言葉ですが、現代はインターネットの浸透や新型コロナウイルスの流行などによって人間関係が著しく変化しており、よりストレスを抱えている方もいるでしょう。ストレスは筋肉の緊張を招き、歯ぎしりや食いしばりの原因にもなります。
ストレスが気になる方はボツリヌス治療を1年ごとに行なうことで、歯ぎしりや食いしばりを抑えられる可能性があります。
歯科医院で歯ぎしり治療をするメリット
- 食いしばりや歯ぎしりの緩和
- 顎関節症による症状の軽減
- 歯ぎしりによって進行する歯周病の改善
- ガミースマイルの口元を自然に見せる
- 口呼吸や花粉症の改善
その他ボツリヌス治療で
改善が期待できる症状
Symptoms
肩こり・頭痛
肩こりは、首肩から背中にかかっている僧帽筋という筋肉が緊張するために起こるとされています。パソコンでの仕事などによって、長時間同じ姿勢を取っている方によく見られます。また、肩の痛みが蓄積すると頭痛にもつながります。
炎症が起きている部位に直接ボツリヌスを注射し、緊張を和らげて痛みを抑えます。患部にピンポイントでアプローチするので効きやすく、慢性的な痛みを改善します。
ガミースマイル
笑って口を開いたとき、歯肉が大きく露出して目立っている状態です。ガミースマイルの代表的な原因として、上唇を動かす筋肉が強いせいで笑ったときに唇がめくれてしまうというものがあります。問題の筋肉である上唇挙筋にボツリヌス治療をして筋肉の働きを弱め、上唇が上がりにくくします。これによって歯肉が隠れるようになります。
口角拳上
年齢を重ねるとお口周りの筋肉が低下し、口角が下がってしまいます。口角は表情にも大きく影響するため、老けて見えたり、暗そうな印象を与えてしまいます。この場合、「口角下制筋」という口角が下がる原因とされる筋肉にボツリヌス治療をすると、口角が引き上がって自然な若々しい印象になります。
リスク・副作用
ボツリヌス治療にともなう一般的なリスク・副作用
- 機能性や審美性を重視するため自費(保険適用外)での診療となり、保険診療よりも高額になります。
- 効果には個人差がありますが、一般的には3〜6ヵ月程度となり、永続的ではありません。
- 注射の際、痛みや腫れ、内出血を起こすことがあります。
- 注射2〜3日後に一時的に噛み疲れのようなだるさを感じることがあります。
- A型ボツリヌス毒素は熱に弱いため、施術直後は激しい運動、サウナ、長風呂、飲酒など汗をかくような行為は控えてください。
- A型ボツリヌス毒素が拡散してしまう可能性があるため、施術後しばらくは顔のマッサージを控えてください。
- アレルギー症状が出ることがあります。
- 過剰投与すると効果が低下することがあります。
- 緊張筋以外の部位に投与すると、食事をとりにくくなることがあります。
- 筋弛緩作用のある薬を内服中の方には、施術できないことがあります。
- 妊娠中の方、授乳中の方、妊娠の疑いがある方には施術できません。