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甘いものがしみたら要注意?考えられる歯のトラブルと放置する危険

「冷たいものは大丈夫なのに、なぜか甘いものだけしみる
そんな経験はありませんか?

実は、甘いものがしみる症状は単なる気のせいではなく、虫歯や知覚過敏など、お口のトラブルが隠れているサインかもしれません。

特に、チョコレートやケーキ、アイスクリームなどを食べたときに歯がキーンとしみる場合は注意が必要です。初期の虫歯では冷たいものよりも先に甘いものに反応するケースもあり、「痛くないから大丈夫」と放置しているうちに症状が進行してしまうことがあります。

甘いものがしみる原因としては、

・初期~中等度の虫歯
・知覚過敏
・歯のひび割れ(クラック)
・歯周病による歯ぐきの後退
・詰め物・被せ物の劣化

などが考えられます。

原因によって必要な治療は異なるため、自己判断は禁物です。

この記事では、甘いものがしみるときに考えられる歯のトラブル、放置するリスク、歯科医院を受診する目安について歯科医師の視点からわかりやすく解説します。
「そのうち治るだろう」と様子を見る前に、ぜひ参考にしてください。

 

甘いものが歯にしみるのはなぜ?考えられる5つの原因

甘いものを食べると歯がしみる症状には、いくつかの原因が考えられます。
虫歯が進行している場合もあれば、知覚過敏や過去に治療した歯のトラブルが原因のこともあります。
また、目に見えない歯のひび割れや、歯の神経そのものが炎症を起こしている可能性も否定できません。
ここでは、考えられる5つの主な原因について、それぞれ詳しく解説していきます。

 

原因:象牙質がむき出しになっている初期の虫歯

甘いものがしみる原因として最も多いのが、初期段階の虫歯です。
虫歯菌が作り出す酸によって歯の表面にあるエナメル質が溶かされると、その内側にある象牙質が露出します。
象牙質には、歯の神経につながる象牙細管という無数の細い管が通っているため、甘いものなどの刺激が神経に直接伝わりやすくなり、痛みとして感じてしまいます。
まだこの段階であれば、簡単な治療で済むことがほとんどです。

 

原因:歯茎が下がり歯の根が露出する知覚過敏

歯周病や強すぎるブラッシング、加齢などが原因で歯茎が下がると、本来は歯茎に覆われている歯の根が露出します。

歯根の表面はエナメル質よりも柔らかい象牙質でできているため、刺激に非常に敏感です。

この象牙質が露出した状態を知覚過敏と呼び、甘いものや冷たいもの、歯ブラシの毛先が触れただけでも、鋭い痛みを感じることがあります。
虫歯ではないため、専用の薬剤塗布などで症状を緩和させます。

 

原因:治療した歯の詰め物の下で虫歯が再発している

過去に治療した歯の詰め物や被せ物の下で、虫歯が再発している可能性も考えられます。
詰め物と歯の間には、経年劣化によってわずかな隙間ができることがあります。
その隙間から虫歯菌が侵入し、内部で虫歯が進行すると、神経に刺激が伝わりやすくなり、甘いものでしみるようになります。
外から見えにくいため発見が遅れがちで、気づいた時には大きく進行しているケースも少なくありません。

 

原因:歯の表面にできた目に見えない細かいひび割れ

歯ぎしりや食いしばりの癖、あるいは硬いものを噛んだ衝撃などで、歯の表面に目に見えないほどの細かいひび(マイクロクラック)が入ることがあります。
このひび割れが歯の内部にある象牙質まで達すると、そこから甘いものの刺激が神経に伝わり、しみることがあります。
マイクロクラックは肉眼では確認が難しく、レントゲンでも写らない場合が多いため、歯科医師による診断が必要です。

 

原因:歯の神経そのものが炎症を起こしている歯髄炎

虫歯が象牙質を越えて歯の神経まで達すると、歯髄が細菌に感染して炎症を起こします。
これを歯髄炎と呼びます。
歯髄炎になると、神経が過敏な状態になるため、甘いものだけでなく冷たいものや温かいものでも強い痛みを感じるようになります。
さらに進行すると、何もしなくてもズキズキと激しく痛むようになり、早急な根管治療が必要となる状態です。

 

なぜ甘いものだけでしみるの?浸透圧が引き起こす痛みの仕組み

冷たいものや熱いものではなく、なぜ甘いものだけしみるのか疑問に思うかもしれません。
この痛みの主な原因は「浸透圧」という現象です。
虫歯や歯のひび割れによって象牙質が露出すると、その表面にある象牙細管と呼ばれる無数の小さな管が剥き出しになります。
砂糖を多く含む甘いものが歯に触れると、象牙細管の中にある水分が、濃度の高い液体(砂糖水)の方へ吸い出されます。
この水分の急激な移動が神経を刺激し、「キーン」とした鋭い痛みとして感じられます。

 

【簡単セルフチェック】虫歯か知覚過敏かを見分ける3つのポイント

甘いものがしみる時、それが虫歯なのか知覚過敏なのか、気になる方も多いでしょう。
あくまで簡易的な目安ですが、いくつかのポイントで症状を見分けることができます。
ただし、セルフチェックは参考程度にとどめ、気になる症状があれば必ず歯科医院を受診してください。

 

ポイント:痛みが続く時間の長さを確認する

痛みの持続時間は、原因を見分ける一つの手がかりになります。
一般的に、知覚過敏の場合は冷たいものや甘いものが触れた瞬間に「キーン」と鋭い痛みが走りますが、刺激がなくなるとすぐに痛みは治まります。
一方、虫歯の場合は、刺激がなくなってもしばらく痛みが続いたり、ズキズキとした鈍い痛みが残ったりする傾向があります。痛みが長く続くほど、虫歯が進行している可能性が考えられます。

 

ポイント:歯を鏡で見て黒い点や穴がないか確認する

鏡を使って、しみる歯やその周りを注意深く観察してみましょう。
歯の溝や表面に黒っぽい点や茶色い変色、あるいは小さな穴が開いている場合は、虫歯の可能性が高いです。
特に歯と歯の間や、詰め物の境目は虫歯ができやすい場所なので、念入りに確認してください。
ただし、初期の虫歯は見た目に変化がないことも多いため、何も見つからなくても安心はできません。

 

ポイント:ものを噛んだ時に痛みがあるか確認する

食事の際に、ものを噛んだ時に痛みや違和感があるかどうかもチェックポイントです。
噛むという行為で歯に圧力がかかった時に痛む場合、虫歯が象牙質よりも深く、神経の近くまで進行している可能性があります。
また、歯の根の先に膿が溜まっている場合や、歯にひびが入っている場合にも、噛んだ時に痛みを感じることがあります。
知覚過敏では噛んだだけで痛むことは稀です。

 

甘いもので歯がしみる症状を放置した場合の3つのリスク

甘いものがしみる症状は、歯からの重要なサインです。
「一時的なものだから」「痛みがすぐ治まるから」と放置してしまうと、症状が悪化し、将来的に深刻なトラブルを引き起こす可能性があります。
ここでは、症状を放置した場合に考えられる3つの大きなリスクについて解説します。

 

リスク:虫歯が神経まで進行し激しい痛みに発展する

しみる原因が虫歯だった場合、放置すれば当然ながら虫歯は進行し続けます。
初期段階では象牙質への刺激でしみる程度だったものが、やがて虫歯が歯の神経(歯髄)まで達すると、歯髄炎を引き起こします。
歯髄炎になると、何もしなくてもズキズキと脈打つような激しい痛みに襲われるようになり、夜も眠れないほどの状態になることも少なくありません。ここまで進行すると、治療も複雑になります。

 

リスク:歯の根に膿がたまり抜歯が必要になる

歯髄炎をさらに放置して神経が死んでしまうと、一時的に痛みが消えることがあります。

しかし、これは治ったわけではなく、細菌が歯の根の先で繁殖し、顎の骨の中で膿の袋(根尖病巣)を作っている状態です。

この状態になると、歯茎が腫れたり、再び強い痛みが出たりします。
病巣が大きくなると治療が困難になり、最悪の場合、歯を残すことができず抜歯に至るケースもあります。

 

リスク:治療期間が長引き費用も高額になる

どのような病気でも同様ですが、歯の治療も早期発見・早期治療が原則です。

しみる程度の初期虫歯であれば、12回の通院で簡単な詰め物をするだけで治療が完了します。

しかし、神経の治療(根管治療)や抜歯が必要になると、治療期間は数ヶ月に及び、通院回数も大幅に増えます。

それに伴い、被せ物の種類によっては保険適用外の選択肢も増えるため、治療にかかる費用も高額になります。

 

歯医者に行くまで痛みを和らげる応急処置

甘いものがしみて急に痛み出したものの、すぐに歯医者に行けない場合もあるでしょう。
あくまで一時的な対処法ですが、痛みを和らげるための応急処置をいくつか紹介します。

まず、痛む歯の周りを清潔にすることが重要です。
ぬるま湯で優しく口をゆすぎ、食べかすなどを取り除きましょう。冷たい水は刺激になることがあるので避けてください。
痛みが強い場合は、市販の痛み止めを用法・用量を守って服用するのも一つの方法です。

ただし、これらの方法は根本的な解決にはならないため、できるだけ早く歯科医院を受診することが大切です。

 

症状を悪化させてしまう可能性のあるNG行動

歯がしみる時に、良かれと思ってやったことがかえって症状を悪化させてしまうことがあります。
痛みが気になるからといって、患部を指や舌で頻繁に触ることは避けてください。細菌が付着し、炎症を悪化させる原因になります。

また、歯磨きの際に痛い部分をゴシゴシと強く磨くのも禁物です。
歯や歯茎を傷つけ、さらに象牙質が露出して症状がひどくなる可能性があります。
熱いものや冷たいもの、酸っぱいものなど、刺激の強い飲食物を摂取することも、痛みを誘発するため控えるべきです。

 

歯科医院で行われる原因別の治療法を紹介

歯科医院では、カウンセリングやレントゲン撮影、視診などによって、しみる原因を正確に診断し、それぞれの原因に応じた適切な治療を行います。
原因が虫歯なのか、知覚過敏なのか、あるいは他の問題なのかによって治療法は大きく異なります。
ここでは、主な原因である「虫歯」と「知覚過敏」の場合に行われる代表的な治療法を紹介します。

 

虫歯が原因の場合の治療ステップ

虫歯の治療は進行度によって方法が変わります。

ごく初期の虫歯で、エナメル質に限局している場合は、フッ素塗布や経過観察で済むこともあります。
象牙質まで達している場合は、虫歯の部分を削り、レジンを詰めるCR充填という治療が一般的です。
虫歯がさらに広範囲に及ぶ場合は、削った部分の型取りをして、金属やセラミックの詰め物や被せ物を作製します。
神経まで達している重度の虫歯では、神経を取り除く根管治療が必要になります。

 

知覚過敏が原因の場合の治療法

知覚過敏の治療では、まず露出した象牙質の表面をコーティングし、刺激を遮断する方法がとられます。
具体的には、象牙細管を封鎖する効果のある薬剤を歯の表面に塗布します。
この処置は比較的簡単で、多くの場合、症状が緩和されます。

歯ぎしりや食いしばりが原因で知覚過敏が起きている場合は、歯への負担を軽減するためにマウスピース(ナイトガード)を作製することもあります。
これらの方法で改善が見られない重度のケースでは、最終的に歯の神経を抜く処置が選択されることもあります。

 

よくある質問

ここでは、甘いものが歯にしみる症状に関して、多くの方が疑問に思う点についてお答えします。

 

しみるけど痛くない場合は様子を見ても大丈夫ですか?

痛みがなくても様子を見るのは危険です。
「しみる」という症状自体が、歯の異常を示すサインだからです。
痛みが弱いのは、虫歯がまだ初期段階であるか、知覚過敏の症状が軽いだけかもしれません。

放置すれば確実に進行するため、症状が軽いうちに歯科医院を受診し、原因を特定して対処することが重要です。

 

知覚過敏向けの歯磨き粉を使えば歯医者に行かなくても治りますか?

知覚過敏向けの歯磨き粉は、症状を緩和させる効果が期待できますが、根本的な原因を治すものではありません。

もし、しみる原因が虫歯だった場合、歯磨き粉で対処している間に虫歯は進行してしまいます。
自己判断で使い続けるのではなく、まずは歯科医院で正確な診断を受け、原因に合った治療を行うことが大切です。

 

甘いものだけでなく酸っぱいものでも歯がしみるのはなぜですか?

酸っぱいものでしみる場合、「酸蝕症」の可能性が考えられます。
酸蝕症とは、飲食物に含まれる酸によって歯の表面のエナメル質が溶かされてしまう状態です。

エナメル質が薄くなると象牙質が露出し、甘いものだけでなく、酸の刺激によってもしみるようになります。
お酢や柑橘類をよく摂取する方は注意が必要です。

 

まとめ

甘いものが歯にしみるという症状は、虫歯や知覚過敏など、歯に何らかのトラブルが起きているサインです。
その原因はさまざまであり、痛みの感じ方だけで自己判断するのは非常に危険です。
放置することで症状は悪化し、治療がより複雑で大掛かりなものになってしまう可能性があります。
少しでも違和感を覚えたら、早めに歯科医院を受診し、専門家による正確な診断と適切な治療を受けるようにしましょう。


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